明るい夜

 ドイツに行っている友人がドイツの看板は日本より地味だと言っていました。日本の看板は確かにそういわれてみれば派手かも知れません。特に夜、新宿とか渋谷の歓楽街に行くとまるで昼間のようです。大阪も繁華街はそうですね。明るいのは別に歓楽街、繁華街に限らず、駅やビルの中も非常に明るいです。昔、韓国に出張したとき、夜の町が薄暗いのに何か郷愁を感じたのを思い出します。そしてそれは、家の外だけの話しではなく、家の中も昔に比べて明るくなったのではないでしょうか。居間に100Wの電球をともしているだけなんて家はいまやあまりないのではないでしょうか。(ところで、最近の電球、蛍光灯の種類の多さには、呆れてしまします。電球が切れた時の為に何種類ものものを用意しなければならないし。買い置きが無くて買いに行くときも現物を持って行かないことには、売場でみてもどれがどれだか判らない状態です。)
 本当に暗いのは家のそばの街路ぐらいでしょうか。それもどんどん高性能の街路灯が点けられて行っていますけど。

 はたして日本の夜はいつからこんなに明るくなったのでしょうか。昔、オイルショックの時、エネルギー節約ということで夜のネオンサインを自粛したり深夜放送を自粛したりしたのを思い出しますが。あの頃が今ほど明るかったかは記憶にさだかではありません。

 これほど夜が明るいことは人類史上、最近のここ十数年あるいは十年内かも知れません。人間は朝起きて、朝日をあびることによって体内時計がリセットされると聞きます。今のように、夜中でも朝日をあびているような状況で人間の体は一体どうなってしまうのでしょう。

 あたり前の様に明るい夜を甘受している我々ですが、これって、もしかしたらあたり前ではないのかも知れないと思うのでした。

では、また。