テレビゲームは悪か

 シュタイナー教育を実践させている親御さんであれば、子供にテレビゲームをさせることはとんでもないことではないでしょうか。ではさて、テレビゲームは悪なのでしょうか。善と悪のどちらに入るのか、どっちかに、なにがなんでも分類しろと言われたら、成長期の子供に対しては悪なのかなと思います。でも、これは昔あった「漫画は悪か?」という議論の繰り返しであり、数あるテレビゲームを十把一絡げにして議論出来る訳がないと考えます。シュタイナー教育を実践している親御さんが本を悪とは言わないでしょうが、悪書が存在するのも事実です。要は、テレビゲームをただの遊びではなく表現手段として認めるかということだと考えます。しかし、テレビゲームの主体は依然として、アクションゲームであったりシューティングゲームであったり、その作品性は評価出来ない部分が大きいかも知れません。しかし、テレビゲームにはまだ大きなジャンルがあります、RPGとシュミレーションゲームです。これらには、ストーリー性の高いものもが存在します。ただ、RPGでは経験値稼ぎのためのバトルがあり、これは無意味と言えば無意味な作業かもしれません。経験値稼ぎのない、謎解き主体のアドベンチャーゲームというものもありmac版で発売されゲーム界で大評判となった「スペースシップワーロック」というゲームもあり、「その作品性は芸術の域」とは言い過ぎかもしれませんが多くのクリエータに影響を与えたのも事実です。(URLを貼りたいのですが、昔のゲームなのでサイトがありませんでした。)

 どちらにしろ、テレビゲームの作品性は商品としての価値を持たせるためのゲーム性が優先されるためどうしても一般的には低くならざるを得ないのは否めない事実です。しかし、テレビゲームの持つ作品性は他のメディアと同様その可能性を持っていると思いますし、高いレベルのものも少ないですが存在すると考えます。

 最後に、別の角度からの観点をひとつ。精神科医香山リカさんの本「テレビゲームと癒し????今ここに生きる子ども」ISBN:4000260510 の中で自閉症の子供がゲームの話題を通して、香山先生に心を開き、また彼はRPGの中では現実社会生活では出来ないことが普通に出来るということを書いています。amazon.comのレビューには以下の様にあります。

 内容(「MARC」データベースより)
  ゲームの世界は病んだ子の心をやさしく迎え入れてくれる。テレビゲーム批判の系譜をたどり、カウンセリングの場での体験を紹介しつつ、ゲームが子どもたちの心を癒す可能性を探る、テレビゲーム療法試論。

 このようなテレビゲーム擁護の観点も存在することも頭の片隅に置いて於いていただければと思います。

では、また。